SaaS製品なのにカスタマイズできる「学びばこ」で
アクセス性と個別ニーズ対応を両立
独立行政法人工業所有権情報・研修館 様 導入事例
独立行政法人工業所有権情報・研修館 様 導入事例
我が国唯一の知的財産に関する総合支援機関である独立行政法人工業所有権情報・研修館(以下、INPIT)では、知的財産について誰でも無料で学べる「IP・eラーニングサービス」を2005年度から提供しています。2019年度をもって同サービスのシステムサポートが終了するため、eラーニングシステムを一新し顕在化していた課題を解決することに。一般競争入札を経て選ばれたのがテクノカルチャーのクラウド型eラーニングシステム「学びばこ」でした。
法人名:独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)
設立:2001年4月1日
所在地:東京都港区虎ノ門4丁目3-1
従業員数:107人(2024年4月現在)
事業内容:特許等の産業財産権情報の提供、相談窓口等による情報提供と支援、ビジネスにおける知的財産の戦略的活用支援、知的財産人材の育成支援など
導入の背景
サポート終了を迎えるeラーニングサービスは、ブラウザ対応や利便性など課題が顕在化。
導入の決め手
SaaS製品ながらカスタマイズにも対応。約3ヶ月で理想のeラーニング環境を実現。
導入後の効果
運用開始後もテクノカルチャーと連携しUI・UXのブラッシュアップと機能強化を継続。
INPITでは、知的財産に関する無料で相談を受け付ける「知財総合支援窓口」を全国47都道府県に設置するほか、インターネットを介して産業財産権の一次情報にアクセスできる特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」や、特許庁及びINPITが保有する知識・経験・ノウハウに基づいて作成した知的財産に関する学習教材を利用・閲覧できるeラーニングサービスの運営・提供もおこなっています。
当初のeラーニングサービス(「IP・eラーニングサービス」)は、インターネットを介して誰でも無料で利用できるサービスを目指しシステムが開発・構築されましたが、2019年度末をもってサポート終了を迎えることに。
「推奨ブラウザはInternet Explorerで、新しいブラウザ(Microsoft Edge)への移行が徐々に進むなか、広く一般に適切な学習機会を提供するという公的機関としての役割が果たせなくなる可能性が出てきました。このほか、当初のeラーニングサービスは、基本的にPCで利用・閲覧する前提でスマホ最適化に未対応であり、いつでもどこでも学習できるように…という時代のニーズに応えられない点も課題でした」と当時を振り返るのは、知財人材部長の岡澤洋氏です。
INPITでは、新しいeラーニングシステムの調達に向け、2017年度から様々なeラーニングサービスについて調査を進めてきました。そのうえで、2019年度に「誰でも無料で利用できること」「多様な端末・ブラウザに対応」「直感的でユーザフレンドリーなUI」「学習継続を支援する機能」「ベンダによる充実サポート」などを要件として一般競争入札を実施することに。
入札のあった2社のプレゼンテーションを受け内部で検討した結果、価格面+技術面の総合評価で選ばれたのがテクノカルチャーのeラーニングシステム「学びばこ」でした。オンプレミス版のほかクラウド版(SaaS)も選べる「学びばこ」ですが、アクセス性を重視するINPITはクラウド版を選択。
主要なブラウザに対応し、スマートフォンで利用する際には専用画面で見やすく表示され、ブラウザのアップデート対応など運用面の負担軽減にもつながります。また、自社開発でクラウド上の専用サーバにて提供され、SaaS製品ながらINPITが求めるユーザビリティやユーザエクスペリエンスにカスタマイズ対応できるといった点を評価した結果でした。契約締結後はベンダ企業のテクノカルチャーとミーティングを重ね、下記のようなカスタマイズを施したうえで、2020年4月から新サービス「IP ePlat」のリリースに至りました。
カスタマイズその①:ログイン不要で利用できるように
もともと「学びばこ」は、あらかじめユーザー登録したIDとパスワードでログインして利用する仕様でしたが、公的機関が提供する“誰もが無料で気軽に学べる”eラーニングサービスとするため、ログインしなくても利用できるようにしました。
カスタマイズその②:直感的に操作できるUIを開発
HOME画面に、「学びばこ」独自のカラフルなアイコンで、カテゴリごとにおすすめコースをピックアップして表示するなど、迷わず直感的に操作して学習できるようUI(見た目)を工夫しています。
カスタマイズその③:学習支援の便利機能を追加
ユーザー登録不要ですべての教材を視聴できる「IP ePlat」ですが、ユーザー登録をすることで、どこまで視聴したかを記録して次回はそこから視聴できるリスタート機能や、視聴履歴や全体の学習状況を数字で把握できる管理機能など、便利な機能を使えるようにしました。
「INPITが求めるUI/UXの実現にこだわった結果、カスタマイズが大規模になってしまいましたが、「学びばこ」がテクノカルチャーによる自社開発製品でカスタマイズにも柔軟に対応可能であったため、契約締結から3ヶ月という短期間でサービスをリリースできました(岡澤氏)」
「UI・UXにこだわった甲斐があり、新生「IP ePlat」についてはポジティブな反応が数多く寄せられています。特に、社内研修などで活用する企業に好評なのが、社員がユーザー登録することでどの程度学習が進んでいるのか数値で把握できる、学習管理機能です。そして、各教材の概要を確認して学習する教材を選ぶことができる点や、教材の関連資料を表示し参照しながら教材を視聴できること、理解度に合わせて再生速度を調節できる点についても好評です(岡澤氏)」
サービス提供開始からすでに約4年が経過した「IP ePlat」ですが、この間もUI・UXのブラッシュアップや機能の追加・強化を続けています。このほか、月次でテクノカルチャーと定例会を実施しており、教材ごとのアクセス数やどのような業種からアクセスが多いかなどのデータの提供を受け、サービス改善に向け継続的に取り組んでいるといいます。「現在4名のチームで教材作成からサービス運用まで担当しており、アクセス数と新規コンテンツ数の2つのKPIを追求するうえで、テクノカルチャーのサポートは欠かせません。新規コンテンツについては、INPITを所轄する特許庁などが把握したニーズに基づき年間数十本ペースで追加しており、動画を中心にコンテンツの充実をはかりつつ、法改正に対応した細かなアップデートにも対応しています(岡澤氏)」
INPITでは、引き続きテクノカルチャーと二人三脚でUI・UXの改善を目指していくという。
「最近も、学習管理のボタンが少し分かりにくいという声を受けてデザインを見直すなど、細かくブラッシュアップを続けていますが、テクノカルチャーはいつもフットワークが軽く、迅速に対応していただき助かっています。知的財産について学ぶというと難しいイメージを持たれる方も多いと思いますが、アニメやドラマ形式のものなど、初学者にも親しみやすく楽しく学べるコンテンツが充実しているので是非一度チェックしてみてください(岡澤氏)」
独立行政法人工業所有権情報・研修館 知財人材部長
岡澤 洋 様
※役職は取材当時のものです。
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